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私は幸運にも、30年余りイラスト制作の仕事に携わっています。
私の代表作に風景をモチーフにした作品があります。
この作品は何度となく、盗作や無断使用にあっています。
ずっと以前のことになりますが、こんなことがありました。
私の代理店の方から「貴方の作品によく似た作品を見つけたので、問い正したところ相手のイラストレーターさんが、自分のイラストであると主張して譲らないので一度電話で話し合って頂けないか〜？」というお電話を頂きました。
代理店の方から見せられた作品のコピーを前に少し腹立たしい気持ちを押さえながら対話に臨みました。
「この部分はここで、この作品はここからの引用です…」とことこまかく指摘させて頂きました。
重苦しい電話での主張合戦が10分くらい続いたころ、相手の方から
「では丘の上に赤い屋根があるイラストは描けないということでしょうか〜？」
と言う言葉に一気にスイッチが入ってしまいました。
「この丘のある風景のイラストは山と海が見える場所にある百貨店の絵で、赤い家は百貨店を、一本の道はお客様と百貨店を結ぶ道、車を道半ばに描いているのはいつまでも上を目指す気持ちを表しているのですよ」と説明して電話を切りました。
その後の話ではこのイラストレターさんは所属先の代理店から外されたようで略歴を辿れば、スポンサーの百貨店がある近くのデザイン学校卒でありました。
あまり書きたくないお話でしたが私の申し上げたいことは、イラストレーターが作品を作る時には必ずコンセプトをもって制作しています。ですから模倣や改変盗作されるごとに、ピントがずれて行き、つぎはぎ状態になり原作イラストの持っていた本来の効果が見込めないと言うことになります。
又、昨今のネット上では「無料」「無料」と言う言葉が氾濫しています。
このような安易な道、楽な方法を選択せず正当な方法で、もっと真剣に額に汗して練って練って、良い作品や良い広告を作って下さい。
尚、余談になりますが、見方を変えれば、盗作されたり、模倣されたりするイラストは使い道のある良い作品なんです。
ですからこれからも、模倣や盗作をされる様なオリジナリティの高い作品を生み出して行きたいと思います。 |
